オリジナル小説

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オリジナル小説 夏の風(三)

早希は、必ず後で真実を話すからと言って、風呂に入った。鉄太のティーシャツとショートパンツを持って。 鉄太は一人になって、先ほどの早希の言葉と、今までの一連の流れを冷静に考えてみた。『事実が僕たちの知らないところにあるとしたら・・・・』 どう...
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オリジナル小説 夏の風(二)

世の中の日本人は本当に薄情者だ。きっと岸の向こう側を通る車からは、二人の川に落ちる姿が見えたはず。「お?落ちた。死んだかなぁ。明日の朝刊に載るだろうね?」の会話が関の山だろう。 誰もこの現場に現れては来なかった。まあ、僕にとってはそっちの方...
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オリジナル小説 夏の風(一)

あの小さな身体のどこにあれ程の元気が詰まっているのだろう。まるで空気の詰めすぎで破裂しそうなゴムボールがいつまでも弾み続けるように、彼女は止まることを忘れたようだ。 彼女の行動パターンをつかもうと、尾行し始めて、もう一週間たった。 時折脱ぐ...